1408号室
1408号室 - goo 映画
11月26日映画館にて
困ったことにスプラッタ嫌いのホラー好き。近頃スプラッタとホラーはイコールではないけれど、かなり近似値。映画館に行っても片目で見たり指の間から見たりで、忙しい。そんな私が大画面を直視してずっと見続けることが出来た、スプラッタなしホラー。
ホラーと言うジャンルだけを確認して(最近紛らわしいから)、リサーチなし前評判も見ないで、見に行きました。帰ってきてからサイトで確認したらスティーブン・キング原作だった。どおりで恐怖が綺麗だわ。と、訳の分からない事言っても通用しないか。
これを言うとネタバレになってしまうけれど、この映画に「なぜ」と言う部分はなし。でも、これは言ってもいいんじゃないかなと思う部分だ。なぜなら、私はずっとその「なぜ」を探して肩透かしを食ったから。
それで思い出したのだが、日本のホラー、例えば「リング」がハリウッドで受けたのは、ホラーにサスペンスがミックスされていたからだと言う。日本人的な感覚で言うと、「なぜ」はすなわち因果と言う事で、当然の部分だ。それがないとホラーのほとんどは成り立たない。「邪悪」そのもののサ○コ(怖くて名前もかけない)でさえ、その謎をとこうとする因果の因の部分を探るという部分は外せない要素だった。
この映画にはその因がない。「邪悪なるもの」と言うのがそのものの正体のようだ。
悪魔が存在する国の原点のような、ホラーだ。
ちなみに私のホラーNO1は古くは「四谷怪談」だが、現代物では「リング」。なぜなら、因果の因を解き明かしてもその先のたたりは消えない。それは最初からある邪悪が根源だからだ。そう考えると「リング」は日本発信の外国的ホラーだったのだろうか。
1408はあわせると13になる。
いかにも原点。
心霊的なものまたは神も信じない男マイク・エンズリンは幽霊ホテルのルポをして本を書いている。その男が1408号室で心霊現象を体験し考えを変えざるを得ない恐怖の様子はごく自然で頷ける。一体どんな風に、お約束の恐怖体験は始まるのかと思ったが、突然の音楽や時計は効果的。舞台もその大半がその一室である。数人の登場人物、または亡者達が登場するが、やはりジョン・キューザックの独り舞台だ。
ホラーの恐怖は、自分の中の想像力による所がある。深読みしすぎて、過剰な恐怖に怯えてしまった。冷静になってみるとそんなに怖くはなかったかなと思って家に帰ったが、ふと真夜中目が覚めた私に映画のシーンがフラッシュバックして繰り返す。
スティーブン・キングの作品はどうしてこうも神経を逆撫ぜするのだろう。
ところでこの映画の途中で、マイクが絵を見ているときだったか、後ろの扉のガラス戸に一瞬何かが写る。あれってなんだったのだろう・・・。(気になった方いませんか?)
以下ネタバレ感想↓
一体誰があの「1408号室には入るな。」と言う葉書をくれたというのだろう。本当はサミュエル・L・ジャクソン
が演じる支配人なんじゃないの?
ケーティとのシーンはちょっと泣ける。
隣の母と子が何かのヒントなのかと思ったら、そうではなかった。「邪悪」も計算してる。
かなりギリギリのところで海辺で溺れたシーンに戻った時、何だ夢かと思いつつそれでもいいかなと思ってしまった。結構神経的に疲れたし、夢だったというオチでも許してあげると思えたのは初めて。だけど一緒に行ったホラー好きの友人には叱られてしまうかも知れないと、そっちに怯え始めたら、デジャブのように夢の中の幻覚が現れて、これは終わりじゃないことを感じた。
妻に一緒に居てくれるかと尋ねた時、彼女は「残念だけれど・・」と答える。これはこの物語のポイントなのかも知れないと思った。
また引き戻される悪夢の中、違った、ホテルの一室。
爽やかな声で電話で
「追体験が出来ますよ。チェックアウトも出来ますよ。」と首吊りの縄をぶら下げる「邪悪」・・。
逃げ出すことの出来ない恐怖。私だったら子供とも会えたし夢の中で妻にも本音を語れたし、もう良いと諦めてしまいそうだ。だけど、彼の場合妻が同じような目に遭うことが分かっていたので諦めるわけには行かなかった。
壁に書かれてあった文字は、ヒントだったのか。
結果的には妻を守ったマイクは助け出された。ともに暮らし始める二人。テープレコーダから流れるケーティの声。驚く妻に、微笑むマイク。
一緒に言った友人は、このシーンがおかしいと言う。彼は本当に助け出されたのか。あの笑いはなんだと言っていた。私は単純に妻に「そうなんだよ。」といっている微笑かと思ったが、それでもまさか、また繰り返しなんてことはないよなと本気で怯えてしまった。だって疲れる。
「心が壊れるまで」・・・・神経逆撫ぜホラーは飛び散ったガラスの破片のように思いがけない所で痛い。
それでも無理やり纏めてしまえば、妻と寄り添うことが出来て、初めてこの物語は終わる。ゆえに恐怖は逃れることの出来ない自分の人生なのかも知れないし、これはホラーの形を借りたひとりの男の再生の物語なのかもしれない。
11月26日映画館にて
困ったことにスプラッタ嫌いのホラー好き。近頃スプラッタとホラーはイコールではないけれど、かなり近似値。映画館に行っても片目で見たり指の間から見たりで、忙しい。そんな私が大画面を直視してずっと見続けることが出来た、スプラッタなしホラー。
ホラーと言うジャンルだけを確認して(最近紛らわしいから)、リサーチなし前評判も見ないで、見に行きました。帰ってきてからサイトで確認したらスティーブン・キング原作だった。どおりで恐怖が綺麗だわ。と、訳の分からない事言っても通用しないか。
これを言うとネタバレになってしまうけれど、この映画に「なぜ」と言う部分はなし。でも、これは言ってもいいんじゃないかなと思う部分だ。なぜなら、私はずっとその「なぜ」を探して肩透かしを食ったから。
それで思い出したのだが、日本のホラー、例えば「リング」がハリウッドで受けたのは、ホラーにサスペンスがミックスされていたからだと言う。日本人的な感覚で言うと、「なぜ」はすなわち因果と言う事で、当然の部分だ。それがないとホラーのほとんどは成り立たない。「邪悪」そのもののサ○コ(怖くて名前もかけない)でさえ、その謎をとこうとする因果の因の部分を探るという部分は外せない要素だった。
この映画にはその因がない。「邪悪なるもの」と言うのがそのものの正体のようだ。
悪魔が存在する国の原点のような、ホラーだ。
ちなみに私のホラーNO1は古くは「四谷怪談」だが、現代物では「リング」。なぜなら、因果の因を解き明かしてもその先のたたりは消えない。それは最初からある邪悪が根源だからだ。そう考えると「リング」は日本発信の外国的ホラーだったのだろうか。
1408はあわせると13になる。
いかにも原点。
心霊的なものまたは神も信じない男マイク・エンズリンは幽霊ホテルのルポをして本を書いている。その男が1408号室で心霊現象を体験し考えを変えざるを得ない恐怖の様子はごく自然で頷ける。一体どんな風に、お約束の恐怖体験は始まるのかと思ったが、突然の音楽や時計は効果的。舞台もその大半がその一室である。数人の登場人物、または亡者達が登場するが、やはりジョン・キューザックの独り舞台だ。
ホラーの恐怖は、自分の中の想像力による所がある。深読みしすぎて、過剰な恐怖に怯えてしまった。冷静になってみるとそんなに怖くはなかったかなと思って家に帰ったが、ふと真夜中目が覚めた私に映画のシーンがフラッシュバックして繰り返す。
スティーブン・キングの作品はどうしてこうも神経を逆撫ぜするのだろう。
ところでこの映画の途中で、マイクが絵を見ているときだったか、後ろの扉のガラス戸に一瞬何かが写る。あれってなんだったのだろう・・・。(気になった方いませんか?)
以下ネタバレ感想↓
一体誰があの「1408号室には入るな。」と言う葉書をくれたというのだろう。本当はサミュエル・L・ジャクソン
が演じる支配人なんじゃないの?
ケーティとのシーンはちょっと泣ける。
隣の母と子が何かのヒントなのかと思ったら、そうではなかった。「邪悪」も計算してる。
かなりギリギリのところで海辺で溺れたシーンに戻った時、何だ夢かと思いつつそれでもいいかなと思ってしまった。結構神経的に疲れたし、夢だったというオチでも許してあげると思えたのは初めて。だけど一緒に行ったホラー好きの友人には叱られてしまうかも知れないと、そっちに怯え始めたら、デジャブのように夢の中の幻覚が現れて、これは終わりじゃないことを感じた。
妻に一緒に居てくれるかと尋ねた時、彼女は「残念だけれど・・」と答える。これはこの物語のポイントなのかも知れないと思った。
また引き戻される悪夢の中、違った、ホテルの一室。
爽やかな声で電話で
「追体験が出来ますよ。チェックアウトも出来ますよ。」と首吊りの縄をぶら下げる「邪悪」・・。
逃げ出すことの出来ない恐怖。私だったら子供とも会えたし夢の中で妻にも本音を語れたし、もう良いと諦めてしまいそうだ。だけど、彼の場合妻が同じような目に遭うことが分かっていたので諦めるわけには行かなかった。
壁に書かれてあった文字は、ヒントだったのか。
結果的には妻を守ったマイクは助け出された。ともに暮らし始める二人。テープレコーダから流れるケーティの声。驚く妻に、微笑むマイク。
一緒に言った友人は、このシーンがおかしいと言う。彼は本当に助け出されたのか。あの笑いはなんだと言っていた。私は単純に妻に「そうなんだよ。」といっている微笑かと思ったが、それでもまさか、また繰り返しなんてことはないよなと本気で怯えてしまった。だって疲れる。
「心が壊れるまで」・・・・神経逆撫ぜホラーは飛び散ったガラスの破片のように思いがけない所で痛い。
それでも無理やり纏めてしまえば、妻と寄り添うことが出来て、初めてこの物語は終わる。ゆえに恐怖は逃れることの出来ない自分の人生なのかも知れないし、これはホラーの形を借りたひとりの男の再生の物語なのかもしれない。
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