「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」
最近、トップ画像はポスターだったものを使わせていただいています。だけどこれ、ちょっと迷いました。映画に人を呼び込むのは、予告編も大事だし、ポスターも大事ですよね。
この映画、「映画.COM」の解説に依れば、
「世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をはじめとするダン・ブラウンの小説「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー映画。シリーズ4作目「インフェルノ」出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったという前代未聞のエピソードを題材に描く」だそうで、そこがかなりのウリのポイントだったのですね。
だからポスターにも、それが大きく書かれているわけですが、ポスター的にちょっとうるさい感じ。
しかも、そこに何か期待して見た人は微妙な感覚に襲われるのではないかしら。「だからそれがどうした。」みたいな。
それに、ダン・ブラウンの出版社側は、これを見てどう思ったのかしら。そっちも気になる所です。
私は、あの「インフェルノ」の時そんな事をしたのかと、この解説で初めて知り、この映画を見た時もまったく知りませんでした。
知らなかったゆえに、また、このタイトルも硬い感じがして期待値が低かったものですから、意外と(かなり)面白く感じました。
「映画.COM」ではけっこう評価が高く、ただ「Wikipedia」の作品の評価に依れば微妙な評価になっているようですね。
私が面白く感じたのは、いい具合に騙されたからです。
たぶんサスペンス好きの方は、メンバーが出そろった時、そして事件が起きた時に、脳内で大筋の推理を組み立てて見るのではないでしょうか。
全員が地下に閉じ込められているのに、冒頭流出。
だったら、やっているのは××しかいないじゃんと、私は思いました。そしてあの人が犯人よねと。
だけど思わせぶりな人もいれば、又予想外のある人が登場してきて、またなんと途中でネタバラシがあってと、
あー、外れた~ !!!
と、思わせて、着地してみたら、「何だ、当たりじゃん。」となったわけですが、ラストに私はしみじみとしました。その動機に。
才能の無さに絶望して、死を選ぶ者もいれば、たった一人に認めてもらうために書く人もいるー。
国や民族が分かれていても、大きな大陸の上に住んでいる(優秀な)人たちの言語力には驚かされるものがありました。
(犯人が)「ギリシャ語(だったかな)が分からない !! 皆ギリシャ語でしゃべって!!」みたいなシーンで、もっと前からちゃんと彼らの話し方に気を付けていれば良かったかなと思いました。
しっかり島国住人の私は、日本語オンリィ。もっと近隣の言葉には注目して生きて来ても良かったような気がします。これからやればと思っても、たぶんあいさつ程度。ちゃんとやろうと思ったら、たぶん人生の時間は足りないかも知れません。あいさつ程度でもやらないよりましでしょうか。
推理劇を映像化させるのは、本当に様々な工夫が必要かと思います。この映画は構成でけっこう工夫していて、新しい事にチャレンジしたように感じました。
ネタバレ感想は無しです。
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