ブラック・スワン
ブラック・スワン - goo 映画

2011年5月23日映画館にて鑑賞。
この映画を見に行くためにバスを待っていたら、友人から電話が入りました。バスを待っている間の時間つぶしは大歓迎ですが、この映画を見に行くためにバス停にいる旨を伝えましたら、
「それを観に行くのね。それって・・・・・・・・・」と友人は言ったのです。
「それ、既にネタバレになっているから、その先言わないで。」
「もちろん言わないわよ。」
・・・、だから既に言ってるって。
映画の感想は難しいなと思いました。例えばこれから観に行く人に「面白かった。」「良かったよ~。」「見応えあったよ~。」「好きな映画だわ。」はセーフでも、「怖かった。」「ラストに吃驚」「泣いた~」と言うのは、そういう映画なんだと分かってしまう故にネタバレになってしまうのかもしれません。
ただそこまで気を使っていたらブログなんかは書けない訳で、また、映画を見る前に事前にブログなんかを読む方は、評判と共にある程度のイメージが逆に欲しかったり、それなりの覚悟をしているのだと思うのです。何の情報もなく見に行きたい時は読まない事に越した事はないですよね。
でもこんな風に不用意に言われてしまったら、防ぎようがないですね。彼女がなんて言ったかは後ほど。でもその彼女が、
「私は駄目だけど、あなたはきっとこの映画が好きよ。」と言いました。
それでなのか、この映画を見た後ずっと考えてしまいました。
私はこの映画が好きなのか、否や。
これもある意味、イメージのネタバレですが、「凄まじい」と言う言葉が似つかわしい映画だったと思います。
好きか、否か。
少なくても前から好きだった、ナタリー・ポートマンはさらに好きになりました。
重い・重い・重い・・・・・
その重さゆえに、やっぱり好きかもしれません。
だけど、この映画を二回見たいかと聞かれたら、私はテレビでも見ないと答えるかもしれません。だって本当に疲れましたから。
以下はネタバレ感想です。

上の彼女が、なんて言ったのか。
それは
「あの映画、後味悪くて、しばらく席から立ち上がれなかったわ。」なのですよ。
サスペンスと言うジャンルに分類されているというのに、「後味の悪い」結末が待っているのかと観に行く直前に分かってしまった悲劇。だけど、タイトルからして、実は怪しい感じが漂っているし、まあ良いか。「ブラック・スワン」は役名でありながら、「ブラック」と言う響きが、やはりダークなイメージを与えますよね。
「白鳥の湖」はバレエの物語としてはかなりの有名どころで知名度も高いと思います。ヒロインの白鳥の姫よりも魔女の娘である黒鳥の方が、技術的に難しいのだとは知っていましたが、同じ人が踊らなくちゃいけないのか驚きました。この清純と悪との対比が面白いのかもしれませんね。
この映画も同じような部分があるように思いました。
優等生で清楚なヒロインには、もともとささやかな影が見え隠れしていました。美しいもの、完璧なものに対しての憧れ方も、歪んだ愛の妄想に囚われたり、その持ち物をそっと盗んだりで、パーフェクトな「白」と言うわけではなかったと思います。
完璧な完成を求めるあまりに壊れていくヒロイン。
でもいろいろインパクトの強いシーンがたくさんあったのに、私が一番強く心に残ったシーンは、母親の
「役に潰される。」と初日を休ませようとしたシーン。
なんて事をするんだ、この母親は、と思う反面、彼女の気持ちが痛いほど分かるし、彼女の勘は当たっていたのですよね。
そして、その次に印象的だったのは、踊りの最後に、白鳥は魔法使いを見て王子を見て、そして観客を見る、そう言う流れになっています。彼女が最後に見た観客は、歓喜に沸く客席の人々。だけど本当はその中の一人感涙に咽ぶ母一人。
「ママ、見てくれた。」
そんな台詞はありませんが、母の姿に満足するヒロイン。
この母と子の関係にはいろいろな事を考えさせられました。
最初は一番の理解者で心の支えになっている母なのかと思っていたら、俗に言う母娘の双生児的愛で、母の愛は時にはヒロインニナの心の成長を妨げます。
一晩中、娘がアレルギーの肌を掻かないかと見張る母の姿には複雑なものを感じました。
しかしこの映画は、単なる「アトピー」であってもホラーっぽく見えるから不思議です。
ラストがラストだったので余計な追いかけはなかったのですが、元プリマを傷つけたのは、本当は誰だったのか・・・
うーん、恐ろしいです。
一人称と二人称が映像の中で混濁している・・・・
この恐怖はラストに一気にいきますね。
でも、彼女が乗り越えなければならなかったものは、時にはウザイ母の愛だったので、実はもっと恐ろしい最悪なラストを妄想してしまい、なんだかあの終わり方で逆にホッとしてしまった私なのです。部屋の鍵代わりに持ち込んだ鉄パイプにも、結構ドキドキさせられました。
道を究めたいと願っているものには、その煌きは一生に一度でも満足だったのでしょうか。
そう思うと、ちょっと悲しくもなったりしたのでした。
映像の力もあいまって、ブラック・スワンの踊りのシーンは圧巻でした。素晴らしい!!
監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ナタリー・ポートマン (Nina Sayers)
ヴァンサン・カッセル (Thomas Leroy)
ミラ・クニス (Lily)
バーバラ・ハーシー (Erica Sayers)
ウィノナ・ライダー (Beth Macintyre)


2011年5月23日映画館にて鑑賞。
この映画を見に行くためにバスを待っていたら、友人から電話が入りました。バスを待っている間の時間つぶしは大歓迎ですが、この映画を見に行くためにバス停にいる旨を伝えましたら、
「それを観に行くのね。それって・・・・・・・・・」と友人は言ったのです。
「それ、既にネタバレになっているから、その先言わないで。」
「もちろん言わないわよ。」
・・・、だから既に言ってるって。
映画の感想は難しいなと思いました。例えばこれから観に行く人に「面白かった。」「良かったよ~。」「見応えあったよ~。」「好きな映画だわ。」はセーフでも、「怖かった。」「ラストに吃驚」「泣いた~」と言うのは、そういう映画なんだと分かってしまう故にネタバレになってしまうのかもしれません。
ただそこまで気を使っていたらブログなんかは書けない訳で、また、映画を見る前に事前にブログなんかを読む方は、評判と共にある程度のイメージが逆に欲しかったり、それなりの覚悟をしているのだと思うのです。何の情報もなく見に行きたい時は読まない事に越した事はないですよね。
でもこんな風に不用意に言われてしまったら、防ぎようがないですね。彼女がなんて言ったかは後ほど。でもその彼女が、
「私は駄目だけど、あなたはきっとこの映画が好きよ。」と言いました。
それでなのか、この映画を見た後ずっと考えてしまいました。
私はこの映画が好きなのか、否や。
これもある意味、イメージのネタバレですが、「凄まじい」と言う言葉が似つかわしい映画だったと思います。
好きか、否か。
少なくても前から好きだった、ナタリー・ポートマンはさらに好きになりました。
重い・重い・重い・・・・・
その重さゆえに、やっぱり好きかもしれません。
だけど、この映画を二回見たいかと聞かれたら、私はテレビでも見ないと答えるかもしれません。だって本当に疲れましたから。
以下はネタバレ感想です。

上の彼女が、なんて言ったのか。
それは
「あの映画、後味悪くて、しばらく席から立ち上がれなかったわ。」なのですよ。
サスペンスと言うジャンルに分類されているというのに、「後味の悪い」結末が待っているのかと観に行く直前に分かってしまった悲劇。だけど、タイトルからして、実は怪しい感じが漂っているし、まあ良いか。「ブラック・スワン」は役名でありながら、「ブラック」と言う響きが、やはりダークなイメージを与えますよね。
「白鳥の湖」はバレエの物語としてはかなりの有名どころで知名度も高いと思います。ヒロインの白鳥の姫よりも魔女の娘である黒鳥の方が、技術的に難しいのだとは知っていましたが、同じ人が踊らなくちゃいけないのか驚きました。この清純と悪との対比が面白いのかもしれませんね。
この映画も同じような部分があるように思いました。
優等生で清楚なヒロインには、もともとささやかな影が見え隠れしていました。美しいもの、完璧なものに対しての憧れ方も、歪んだ愛の妄想に囚われたり、その持ち物をそっと盗んだりで、パーフェクトな「白」と言うわけではなかったと思います。
完璧な完成を求めるあまりに壊れていくヒロイン。
でもいろいろインパクトの強いシーンがたくさんあったのに、私が一番強く心に残ったシーンは、母親の
「役に潰される。」と初日を休ませようとしたシーン。
なんて事をするんだ、この母親は、と思う反面、彼女の気持ちが痛いほど分かるし、彼女の勘は当たっていたのですよね。
そして、その次に印象的だったのは、踊りの最後に、白鳥は魔法使いを見て王子を見て、そして観客を見る、そう言う流れになっています。彼女が最後に見た観客は、歓喜に沸く客席の人々。だけど本当はその中の一人感涙に咽ぶ母一人。
「ママ、見てくれた。」
そんな台詞はありませんが、母の姿に満足するヒロイン。
この母と子の関係にはいろいろな事を考えさせられました。
最初は一番の理解者で心の支えになっている母なのかと思っていたら、俗に言う母娘の双生児的愛で、母の愛は時にはヒロインニナの心の成長を妨げます。
一晩中、娘がアレルギーの肌を掻かないかと見張る母の姿には複雑なものを感じました。
しかしこの映画は、単なる「アトピー」であってもホラーっぽく見えるから不思議です。
ラストがラストだったので余計な追いかけはなかったのですが、元プリマを傷つけたのは、本当は誰だったのか・・・
うーん、恐ろしいです。
一人称と二人称が映像の中で混濁している・・・・
この恐怖はラストに一気にいきますね。
でも、彼女が乗り越えなければならなかったものは、時にはウザイ母の愛だったので、実はもっと恐ろしい最悪なラストを妄想してしまい、なんだかあの終わり方で逆にホッとしてしまった私なのです。部屋の鍵代わりに持ち込んだ鉄パイプにも、結構ドキドキさせられました。
道を究めたいと願っているものには、その煌きは一生に一度でも満足だったのでしょうか。
そう思うと、ちょっと悲しくもなったりしたのでした。
映像の力もあいまって、ブラック・スワンの踊りのシーンは圧巻でした。素晴らしい!!
監督 ダーレン・アロノフスキー
出演 ナタリー・ポートマン (Nina Sayers)
ヴァンサン・カッセル (Thomas Leroy)
ミラ・クニス (Lily)
バーバラ・ハーシー (Erica Sayers)
ウィノナ・ライダー (Beth Macintyre)

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