ゼロ・グラビティ3D

12月30日、家族と一緒に観てきました。
なんとなく年末に映画に行くのが好きです。慌しい時間の中で、ホッと息のつける時間を持つことは私にとっては大切な習慣です。
それでもこの映画の事は、行く候補としてあまり意識の中に食い込んではいませんでしたが、
wowowの映画評論の時間で、この映画の事が話題になっていました。私はあまりプロの映画評は参考にしないことにしています。
たぶんあの方で懲りちゃったのだと思います。誰とは書きませんが、今でもリアル友達には信頼が厚く
「×××はこう言ってるよ。」なんて言うのを聞くとうんざりします。
そんな訳で、映画評の時間は昔はかなり好きだったのに、チラ見でした。
しかしこの映画だけは、その力説振りにかなり心に残りました。
その映画評論家の方はこう言いました。
「この映画だけは字幕では見ないでほしい。」と。
上も下もない宇宙空間に投げ出されたように、それを本当に体感できるのに、字幕が出ると上下がそこでいきなりはっきりとわかってしまうからと言うもの。
その説明に一気に見たい度がアップしたところに、息子の一人が
「あれはいつ公開だろう。」とすごく気になっていることが判明したのです。
それで彼が休みになるのを待って見に行ったという次第なのです。
公開日からその間、かなり好評の様子なのがあちらこちらから伝わってきました。
それで期待度がガンガン上がってしまいましたが、その期待を裏切らない内容でした。
この映画リピーター率も高いようですが、頷けます。
この映画、ストーリーじゃないんです。物語はいわば宇宙からの脱出です。
あっ、因みに「宇宙からの脱出」っていう映画もありましたが、あれも良い映画だったと思います。
で、その脱出劇、テンポと映像が素晴らしいんです。
最近、私は3Ⅾがあっても普通に2Ⅾで見ることが多くなってきているんですが、この映画だけは3Ⅾ吹き替えで見ることをお勧めします。
本当に体がピクンと動いてしまいました。
実際にはやりはしないけれど、心の中で思わずプハァと息を大きく吸いたくなること間違いなし。
以下少々のネタバレ感想です。

この作品はゲームのような作りだなあと、私は感じました。
第一ステージ、第二ステージとクリアしていくっていう感じです。
ちゃんと定期的に破片攻撃の危機があるっていう所もそんな感じに感じました。
最初に宇宙に放り出されるところでは、サンドラ・ブロックのライアン・ストーン医師がバランスを失ってくるくるくるくるくるく・・・・って、止まって欲しい~って彼女だけじゃなくみんな思ったのではないでしょうか。
止まらないところが凄くリアリティがありましたよね。
もうあの段階で自分だったら諦めちゃうと思いました。
でもベテラン飛行士のマット〈ジョージ・クルーニー〉が助けに来てくれて・・・・
もう彼、白馬の王子様のごとくかっこ良かったです。
だけどあの話の続き、気になりませんでしたか。
毛むくじゃらの人間じゃない奴と一緒って。それってなあに。ああ、気になる。
頑張ったライアン博士がロシアの飛行艇〈?〉の燃料切れに一度は諦めて死を覚悟するところで、マットがやって来た時、私ちょっと騙されて、何たる奇跡、ここまで流されて偶然にもこの船を見つけたんだわって一瞬思ってしまいました←オバカッチョ
だけどライアンの「来ないで~」と言う薄情な言葉といきなり扉を開ける信じられない行動に、ああそうかとようやく分かったのです。マットの姿を借りた自分との対話だったのかもしれませんが、私はそこは単純にマットが肉体を捨てて来てくれたのだと解釈したいなと思いました。
その死の淵から立ち直ったライアンは俄然強くなります。
それは朝ドラ「ごちそうさん」を見ている人にだけわかる言葉で言えば「なべ底大根の気持ち」だと思いました。
あっ、その時入ってきた放送は笑いや犬の鳴き声赤ん坊の泣き声と普通の生活を思わせるもので、彼女の心をいやすのでしたが、その声側からのスピンオフ映像を教えてもらったのでリンクしておきますね。
→ここです。
音もなく崩壊していく宇宙ステーション。
見ごたえ十分です。
「3千回ぐらい死にそうだ。」と息子が言いました。
そしてゲームの感覚で言うならラストステージは地球でした。ここまで来てまだかと思いました。
水の中のシーンでは本当に息苦しくなりました。
水の上に出た彼女の間近に虫の羽音が。そして遠い空には破壊され落ちてくる破片の燃え尽きていく姿が見えます。
彼女は土塊をつかみそして立ち上がり歩いていくところで終わりです。
ああ、空気ってありがたいとしみじみと思いました。月並みな感想で絞めてしまいましたが、本当にそう思えました。
