麒麟の翼~劇場版・新参者

1月28日映画館で鑑賞。
テレビのドラマ版でも丁寧に人間関係を描きながら真実にたどり着く展開が魅力的で好きでした。また、阿部寛が加賀恭一郎と言う人物像にぴったりで、安定感のあるドラマを見せてくれると期待して初日に見てまいりました。
期待は裏切られず、最後は泣き虫なのでちょっと泣いてしまいました。解説によれば、この「麒麟の翼」は東野圭吾自身が“シリーズ最高傑作”と言ってるそうで、言うだけあるなと思いました。
「新参者」を見ると日本橋から人形町周辺をウロウロしてみたくなること間違い無しです。
少なくとも、日本橋の麒麟像は写真を撮りに行きたくなってしまいました。
想像上の動物である麒麟には本来は無いはずの翼が、この日本橋の麒麟にはあるという事も初めて知りました。と言うより日本橋に、この麒麟像があることすら意識したこともありませんでした。
大人になっても、世の中には知らないことがいっぱいです。
それらを知ることは、映画を見る喜びと同じくらいの楽しさがあるものです。
すべての道は此処から始まっている。
その日本橋。
青柳武明は、なぜ腹部を刺されたまま8分間も歩き続け日本橋の翼のある麒麟像の下で力尽きはてたのか・・・・
絡み合った糸を解きほぐしその謎が解き明かされる事は、それは誰が犯人なのかを知ることよりも興味深いものであり、心を揺らし涙を誘います。
父よ、あなたはずっと父だった。
そんな男を中井喜一が好演しています。
ちなみにドラマ版ではヒロイン的存在だった黒木メイサがゲスト並でちょっとだけ出ていますが、その恋人だった駆け出し役者の向井君はポスターの写真だけのご出演。でも最後のクレジットは大きかったです。
脚本は「相棒」でおなじみの櫻井武晴。
社会の底辺で切々と生きながら、思いがけず事件に巻き込まれていく物語といったらやっぱり彼ですかと思ってしまいました。
その社会の底辺でと言う部分を、「ドラゴン桜」の師弟コンビである新垣結衣が担当。顔立ちが上品なのに、こういう役が凄く似合っていると思いました。「上品なのにこういう役」という言葉はちょっと乱暴すぎて、どなたかの怒りを買いそうですが、もちろん悪意などありません。貧しくても健気に生きる役と言う意味です。
ちなみに先週見た「ALWAYS 三丁目の夕日‘64」は古沢良太。「相棒」ライター様、頑張っています。
ネタバレナシで書くとこんな程度でしょうか。
なんか物足りないので、以下数行だけネタバレで呟きます。

加賀が劇団ひとりの中学生教師にさりげなく言う公式の話は、凄く印象に残りました。
「正しい公式を教えてあげてください。」
息子の青柳悠人が「慕っている振りをして、罪を皆死んだお父さんに押し付けてオワリか。」と、工場長に殴りかかったシーンは、当たり前だと思います。姑息。この後、彼にはマスコミから断罪されると思いました。
あの青年は、容疑者が昏睡から目覚めることを凄く気にしていました。
この物語はフェイクがあって当たり前、犯人はこの三組に絞って見ていましたが、絡み合った複雑さが程よい印象を受けました。
ブログとか千羽鶴とかまたは絵馬とか、涙がじわ~っとするポイントは多かったと思います。

阿部寛
新垣結衣
溝端淳平
田中麗奈
松坂桃李 (青柳悠人)←彼、良かったです。
三浦貴大
劇団ひとり
中井貴一
スタッフ
監督 土井裕泰
脚本 櫻井武晴
原作 東野圭吾
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