
なんだか映画館での公開当初から、かなり話題になっていて、凄く気になっていた「ミッドサマー」をようやく2月24日に見る事が出来ました。
前にそれを映画館で見た息子君に
「あれ、怖いの?」と聞くと、
「ホラーと言うより、儀式をいかに忠実に行ったかの映画だ。」と答えられたのでした。なんだかさっぱり分かりませんでしたが、見た今となっては分かります。
確かに「儀式をいかに忠実に行ったか」の映画でした。
ただ、私の常識は世界の常識ではないかも知れないと言う、そこに恐怖があったかもですね。
このホルガという集落の常識は、この世界の常識なので、村人は皆ニコニコ。よそ者は恐怖に震えます。
これはWOWOWの「W座からの招待状」の枠で放送されたのですが、そこでの小山薫堂さんの感想に共鳴しました。
つまり、みんなが同じ事に共感する社会と言うのは、なんて気持ちが悪いんだろうかと言う事。
快楽も悲しみも共有する社会。シェアする社会。「共有」「シェア」、みんなが目指す理想の未来は、もしかしたら気持ちの悪いものなのか・・・・っていう所に。
やっぱり「みんな違ってみんな良い」が良いのかも知れませんね。
この映画、そんなに素晴らしいとは思えないのですが、だけど好きな映画です。どうしてかと言うと、見た後に、ふとこの映画の事を考えている私がいました。キッチンを片付けている時、お風呂に入って湯船に沈んでいる時、「あの映画はさ・・・」と考えている。
映画を見る醍醐味は、その後どれだけ、その映画の余韻に浸れるかにもあると思うのです。
ところで、私、この映画を見て、とある映画を思い出しました。
それは、ニコラス・ケイジの「ウィッカーマン」。
それの感想は→「ウィッカーマン」
しかしその感想を読み直したのですが、私は吃驚しました。
「常識」とか「後からずっと考えてしまう。」だとか、そのような内容が、この「ミッドサマー」と同じように書かれていたのです。
つまり「同じ感想」と言う事なんですね。
まあ、あちらの映画の方が、憎しみが前面に出ているので、後味の悪さはちょっと勝っているかもしれないです。
次の画像の下に又もほんのちょっとのネタバレ感想を書こうと思います。
だけどその前に、
ヒロインのダニー役は、フローレンス・ピューなんですが、監督(アリ・アスター)の話によれば、ラストの撮影が、彼女の叫ぶシーンで、かなり何回も叫ばしたので、きっと声が枯れたに違いない。そのまま次の撮影に向かったのだが、その監督に申し訳ない事をしたとあったので、笑えました。その次の作品って言うのが、「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」で4女のエイミーだったのですよ。
またこれはネットで教えてもらったのですが、あの飛び降りちゃう気持ちの悪いお爺さんは「ベニスに死す」の美少年、ビョルン・アンドレセン。
「時は残酷」と言うより、私は彼がこんな風にお仕事をしているんだなと思えたので、なんとなく嬉しかったです。

死は再生の始まりのような死生観の人たちとは、争えないな、怖いなと、最初は思ったのですが、でもよくよく考えてみたら、この人たちの中にだって100の確信があるわけではないなと思いました。なぜなら100そう信じていたら、差し出す命を外部から持ってくる必要はないのではと思うからです。
外部から6個命がやって来て、彼らは「歓迎」と言う言葉でニコニコとしているけれど、あれは絶対に「ラッキー」てなもんでしょ。
またイギリス人が消えた翌日のミートパイは何の肉かと、ぶるぶると震えて見ていました。答え合わせはなかったけれど。陰毛がどうのこうのと言う事は、そちらが気になってどうでもよく感じてしまったり・・・・w
90年に一度の祭り。
それが終わったら、彼らの生活はどうなるの。
ペレの両親は火に焼かれたと言っていたけれど、この祭りで ?
90年に一度ではないのか ?
これは2時間50分の「ミッドサマー ディレクターズカット版」があるので、いつか機会があったら、それを見るべきなんじゃないのかなと思いました。
ラスト。
なぜダニーは最後に微笑んだのか・・・・・?
監督によって
「「ダニーは狂気に堕ちた者だけが味わえる喜びに屈した。ダニーは自己を完全に失い、ついに自由を得た。それは恐ろしいことでもあり、美しいことでもある」と脚本に書き付けている(ウキィより)
よく分かりませんー。
難しい~。

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