FC2ブログ

「グエムル -漢江の怪物」

グエムル -漢江の怪物- - goo 映画


 グエムル

4月20日ムービープラスにて

 韓国版のモンスターパニック映画かと思いきや、意外なほど深い家族愛の物語でした。もちろんモンスターは出てきます。

人を襲ったり、その残骸を吐き出したりするシーンがなくて、そのモンスターだけ見るとなかなかキュートな感じです。映画自体が一見「コメディ」のような雰囲気をかもし出しているので、そう思ってみるとぴったりのモンスターだと思うのです。でも「コメディ」は雰囲気をかもし出しているだけで、ぜんぜんコメディではありません。

モンスターも最初はその歩き方から移動の仕方などがユーモラスに感じたのも、後に行くほど、自分のイメージの誤解であったことがわかってきます。姿をあまり見せないと言う手法を使わず、最初からはっきりと形が見えているところで、そんな誤解を受けてしまったのかもしれません。巨大でなくても恐ろしいモンスターでした。


 店番すら出来なくて、寝てばかりの男カンドゥは娘が死んだと思っていた夜にも、その娘を助けに行く夜にもグーグーと寝ることが出来る、頼りないと言うよりは情けない男です。でも、その意味も最後の方でわかってくるのです。
「三年寝太郎」と言う日本昔話を知っていれば、その男が実はどういう男なのかが見えてくると思いました。



河原で人々を襲う冒頭のシーンは、その登場の仕方から人々の反応などが、本当にあり得そうで見事でした。印象に残ったのは高架上を走る電車の中から、その河原の地獄絵を目撃するシーンでした。


―あの時、あの手を離さなければ・・・・


   monnsuta- <ネタバレしています>



 モンスターパニック映画と思うと、確かに少し物足りない感じがするのは、政府は役にも立たない薬を散布しただけだからだ。結局はカンドゥ一家が退治すると言うあり得なさは、映画の世界ゆえのお約束なのでスルー。

 印象に残るのは、合同慰霊の写真の前で家族が抱きあい、のた打ち回って嘆き悲しむシーンだ。それを写真に収めようとするマスコミ。

 父が頼りない長男の事を弟や妹に頼むところで、切々と訴える父を尻目に二人は眠ってしまうシーンも、笑えない。多分ユーモアのあるシーンなのだと思うが、親が本当に言いたい事を子供は聞かないと言う事をあまりに知っているので笑えないのだ。その父の最後には家族愛が溢れていた。

 頭はいいが仕事に就けずに飲んだくれている弟や、慎重すぎて金メダルを逃してしまうアーチェリー選手の妹、麻酔を打たれても眠らないカンドゥのあくまで力を合わせて倒す事にこだわったモンスター最後の時は、その家族愛をさらに印象付けた。

 
 前後するが、かなり印象深かったのはオープニングのシーンだ。もちろん大量の薬品を河に流すと言うモンスター誕生の要因になっているだろうというそのシーンもそうだが、―直接河に流さず実験室の水道の流しからと言う事が怖い。きっと、自分のしている罪には気がつかない。それを指示した博士も、河は大きいから全てを飲み込んでなかった事にしてくれると言うことを平気で言っているが、それは人の心の奥底にある深層心理のような気がして恐ろしい。―最初に奇形の何かを見つけた釣り人がコップですくって、それを逃がしてしまうシーンだ。恐ろしいモンスターもコップですくえるときがあったと言うか、その時に起きているなにかに気がつくことは、大概は出来ない事なのかもしれないという不安を、そこには感じさせるものがあった。
そしてまた、そのモンスターに人間は餌だと教えてしまったのは、身を投げた人間だったのではと思えるシーン。

そして中盤、娘のために隔離されているところから脱出を図るカンドゥだが、異動車の扉を開けると、科学者達が昼食のために外でバーベキューなんかをしているという緊迫感のギャップ。

あちらこちらで人間のモンスター振りが見え隠れする。


モンスター騒ぎが収まってからが、この映画は少し長い。だけれど、その少し長いさりげないシーンがこの映画に重みを与えている。
カサリと何かの音がした。シーンとした暗い河原を、元の売店でじぃっとカンドゥは見ている。そっと銃を引き寄せる。だけれど、何事も起こらない。
彼はホッとして食事の支度をし、転寝をしている子供を起こし、ご飯を食べる。食事に集中して食べようとウィルス騒ぎの顛末を語るニュースが流れるテレビを消して、二人は湯気の立つご飯を美味しそうに頬張るのだった。
だけれど、その子供は娘ではない。


暗い暗い漢江の岸辺で、ポツンと明かりが灯っている。ずっとずっとカメラが引いて行く。
 

見ていたときはさほどではなかったが、見終わってみると不思議な感情が沸き起こってきた。夫などはお気楽な映画だと思ってパソコンでゲームなどをしながら見ていたが、半端な映画だなぁと感想を言っていて、そんな見方では見るべきところを見逃してしまう細かい所がよく出来た映画だと思った。


・・・・あのモンスターにキュートはないか・・・汗 

more...

theme : 映画感想
genre : 映画

line

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ - goo 映画

7月20日 映画館にて

クライマーズ・ハイ3


クライマーズ・ハイ。
登山中に興奮状態が極限にまで達し、
恐怖感が麻痺すること。


以前NHKでドラマ化されていた「クライマーズ・ハイ」ですが、その前編を見て後編を見損なっていたのでラストまでのストーリーは知りませんでした。




1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。

事故当時、地元紙の社会部記者として取材に奔走した経験を持つ作家・横山秀夫(「半落ち」など)が、17年の時をかけて書き上げた同名小説を映画化。



 ストーリーは未曾有の大惨事だった飛行機事故を追うものではなく、あくまでもその事故を取材し新聞を作っていく男達の熱い夏に絞られていました。

物語には一気に引き込まれ約2時間半も長く感じることはありません。

<以下はネタバレ>

クライマーズ・ハイ4



 事故後県警キャップの佐山と地域報道班の神沢はすぐさま現地に入ります。行けと言われた時の神沢の嬉しそうな顔が印象に残ります。ですが、あまりに悲惨な現場の状況にその神経を狂わしていきます。そしてやがて彼の身に起きる悲惨な最期。

その最後は記事にもなりません。

「記者が一人死んでも記事にはならない。」と言う言葉だけには苛立ちを感じました。それは違うだろうと反論したい気持ちになりました。あまりに大きな事故の前には小さいことは消し飛んでしまうのでしょうか。でも、ひき逃げですよ。

事実のあるなしと、知る知らされると言うことはイコールではない。報道は平等ではない。様々な思考が頭の中で攪拌してしまいました。
いや、ここはそんなに深い部分ではないと思われる方も多いとは思いますが、それだけ私にはショックなシーンでした。ここに囚われると本線から脱落してしまいます。

神沢の悲劇は、被害者を追わないが為に事故の悲惨さの象徴として描かれたものと推察したのですが、ただ実際には遺族の方たちが、歯のついた肉片指の一本とご遺体を捜し持ち帰った事実を思うと、違和感を感じました。このエピソードは原作にもある物なのでしょうか。



ただ、悠木の子供を一人で飛行機に乗せるシーンなどは、被害者の方を連想させるものがあり、勝手の事故の記憶を見ているものに呼び戻させたと言うのは上手いなと思いました。


 私には不要に感じた神沢のエピソードですが、そんなシーンが必要だったのは、この映画が日航ジャンボ機墜落、その時男達はという広げたイメージと比較して、実は非常に地味な骨太な映画だったからだと思います。
そのクライマックスでも、スクープを取れるかと言う派手な報道戦の物語ではありませんでした。

スクープに成るか否か、その判断の時、果たして彼のとった決断は・・・

チェック、ダブルチェックという言葉が心に残りました。

臆病ゆえにいくつスクープを逃し凡庸な記事にしてきてしまったか、と言う上司の言葉。それに対する悠木の言葉は、流行る気持ちにいくつ誤報出してきてしまったのかというものでした。

 その情報に確かな確信が持てなければスクープにはしないと言う報道の良心を感じました。

だけどそこに至るまでの流れは、ドキドキさせるものがあって見応え充分でした。
責任を取って新聞社を去ろうとする悠木でしたが、その後彼がどうなったのかはよく分かりません。


 社長との確執、家族との確執、そんなドラマも組み込まれ人間ドラマに仕上がっていますが、惜しいかな、一つ一つのパーツに少しずつ隙間があるパズルのように感じてしまいました。


―彼は、ベルトとサスペンダーの人なのよ。―
息子の妻が子供に言うセリフが素敵でした。



2009,8,8 テレビでまた見ました。
確かこの映画は、出演者一人一人、例えば編集室の端の方でお茶を入れている人や後ろの方で怒鳴っている人、歩いているだけの人にも家族や趣味などの人物設定をしたのだったと思います。ゆっくりリビングで見ていたら、その事が凄く生きていた作品だったんだと、作り手の意気込みが伝わってきました。

theme : 映画感想
genre : 映画

line

「黒く濁る村」

黒く濁る村 - goo 映画
1月25日にwowowで鑑賞。
黒く濁る村

タイトルに惹かれて見ました。
最初のオープニングで描かれる過去の物語から、あんな風に発展した物語になるとは思いませんでした。

最初は本当に理想に燃えていたのでしょうか。

長年、音信不通だった父の死の知らせを受けて、ヘグクは山奥の村へとやって来た。突然のヘグクの登場に、村人たちは困惑を隠せない。死因が不明な事に納得できないヘグクはしばらく村にいる事にする。やがて、父所有の土地の名義が書き換えられ、財産も全額が引き出されている事を知る。秘密を探っていくヘグクだが、次々に事件が起き、死人が出ていく。そして30年前に起きたある事件に、父や村長が深く関わっていたことを知る。goo映画から

父のカリスマ性と神秘性を思うと、その後に起きた事件はホラー色もあったように思いましたが、結局はそんな物語でもなく見ている間は飽きませんでしたが、見終わると非常にハンパな物語であったように思いました。

だけどラスト2分に、本当の恐怖が隠れていたのかもしれません。

韓国の俳優さんには、まったくもって詳しくないのですが、主役のパク・へイルはソフトな物腰と語り方で好感度も高かったのですが、「驚く」と言う演技がいつもワンテンポ遅れるような気がして、気になってしまいました。
大した事ではないのですが、撮影時に撮影がその前で終わり、彼のアップから再スタートするのでそんな印象を受けるのかなと予測してしまいましたが、本当のことは分かりません。

彼の甘いソフトな感じと対照的だったのは、チョン・ジェヨンのあくの強さだったと思います。
若い時から老人まで、目力で引っ張られました。

黒く濁る村2

チョン・ジェヨンが演じる村長の取り巻きの死に方が、因果応報的なのでホラーっぽさを感じたのですが、それは演出でちょっとだけがっかりしました。

事件が解決しても、いくつか謎が残っていて首を傾げていたら、ラストで「ああ、そうか」と納得しました。

主人公のヘダクのライバルのような検事との関係が素敵でした。

以下、ネタバレしています。

黒く濁る村3


役名も俳優名もちょっと分かりませんが、あの女性・・・・
彼女の気持ちは分からないでもないですよ。若い時に男たちから乱暴されて、その復讐をしてくれた若き日の村長(その時は刑事)。だけどその後長年やっていたことは、その男たちと同じ事。
復讐されるには充分な理由だったと思います。
だけどその手段は・・・
想像するとゾクッとするものがありました。やはり人の心が一番怖いですね。


theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
genre : 映画

tag : テレビで見た映画 wowow 2012年に見た映画 韓国映画

line

「グリーン・ホーネット」

グリーン・ホーネット - goo 映画
 2月4日wowowで見ました。
グリーンホーネット

既に3月になってしまいましたが、2月にテレビで見た映画の感想を書いていこうと思います。内容は薄いと思いますが、いわば記録帳的「見たよ日記」です。

だけどなんか、コレ、何を書いたら良いのかわかりません。つまらなかったかと言われればさにあらず。普通に面白かったですよ。でもここがこうとか、あそこがこうとかが言いづらい、いわばお気楽映画だったのかなと思います。

しかしそういうお気楽映画なのに、何かを考えてしまうのが私の悪い癖。

つまり、まず最初に思ったのは、この物語の主役は誰だということ。
俳優名ではなく、物語の要は誰なのかと言う事だけれど、どう考えてもカトーよね。

だけど、最後までグリーンホーネットの運転手としか言われずに、「何だ、お前か」と言う雰囲気から逃れられない。

なんか胸に突き刺さりました。

長になる器ではないが、副役職に最適な人っていますよね。実は実力仕事ぶり、すべて長より勝っていたりするのです。でも人を巻き込む力に欠けて、いわばカリスマ性がないのですね。ほんとうの意味でチームを支えているのに影が薄く、何だあなたかと目立たない。
そんな経験のある人には、カトーのポジションに、ヒニカルな笑いがこみ上げてくるかもしれませんよ。

グリーンホーネット4

グリーンホーネット3

グリーンホーネット2

セス・ローゲン (Britt Reid / Green Hornet)
ジェイ・チョウ (Kato)
キャメロン・ディアス

監督 ミシェル・ゴンドリー

theme : WOWOW/スカパーで観た映画の感想
genre : 映画

tag : テレビで見た映画 2012年に見た映画

line

「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

9人の翻訳家4

2月2日に視聴。


最近、トップ画像はポスターだったものを使わせていただいています。だけどこれ、ちょっと迷いました。映画に人を呼び込むのは、予告編も大事だし、ポスターも大事ですよね。

この映画、「映画.COM」の解説に依れば、

「世界的ベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」をはじめとするダン・ブラウンの小説「ロバート・ラングドン」シリーズの出版秘話をもとにしたミステリー映画。シリーズ4作目「インフェルノ」出版時、違法流出防止のため各国の翻訳家たちを秘密の地下室に隔離して翻訳を行ったという前代未聞のエピソードを題材に描く」だそうで、そこがかなりのウリのポイントだったのですね。

だからポスターにも、それが大きく書かれているわけですが、ポスター的にちょっとうるさい感じ。

しかも、そこに何か期待して見た人は微妙な感覚に襲われるのではないかしら。「だからそれがどうした。」みたいな。

それに、ダン・ブラウンの出版社側は、これを見てどう思ったのかしら。そっちも気になる所です。

私は、あの「インフェルノ」の時そんな事をしたのかと、この解説で初めて知り、この映画を見た時もまったく知りませんでした。

知らなかったゆえに、また、このタイトルも硬い感じがして期待値が低かったものですから、意外と(かなり)面白く感じました。

「映画.COM」ではけっこう評価が高く、ただ「Wikipedia」の作品の評価に依れば微妙な評価になっているようですね。


私が面白く感じたのは、いい具合に騙されたからです。

たぶんサスペンス好きの方は、メンバーが出そろった時、そして事件が起きた時に、脳内で大筋の推理を組み立てて見るのではないでしょうか。

全員が地下に閉じ込められているのに、冒頭流出。

だったら、やっているのは××しかいないじゃんと、私は思いました。そしてあの人が犯人よねと。

だけど思わせぶりな人もいれば、又予想外のある人が登場してきて、またなんと途中でネタバラシがあってと、

あー、外れた~ !!!

と、思わせて、着地してみたら、「何だ、当たりじゃん。」となったわけですが、ラストに私はしみじみとしました。その動機に。


才能の無さに絶望して、死を選ぶ者もいれば、たった一人に認めてもらうために書く人もいるー。


国や民族が分かれていても、大きな大陸の上に住んでいる(優秀な)人たちの言語力には驚かされるものがありました。

(犯人が)「ギリシャ語(だったかな)が分からない !! 皆ギリシャ語でしゃべって!!」みたいなシーンで、もっと前からちゃんと彼らの話し方に気を付けていれば良かったかなと思いました。

しっかり島国住人の私は、日本語オンリィ。もっと近隣の言葉には注目して生きて来ても良かったような気がします。これからやればと思っても、たぶんあいさつ程度。ちゃんとやろうと思ったら、たぶん人生の時間は足りないかも知れません。あいさつ程度でもやらないよりましでしょうか。

推理劇を映像化させるのは、本当に様々な工夫が必要かと思います。この映画は構成でけっこう工夫していて、新しい事にチャレンジしたように感じました。

ネタバレ感想は無しです。


9人の翻訳家3

(C)(2019) TRESOR FILMS - FRANCE 2 CINWMA - MARS FILMS - WILD BUNCH - LES PRODUCTIONS DU TRESOR - ARETMIS


9人の翻訳家    9人の翻訳家2









tag : 2021年に見た映画 2月に見た映画 サスペンス wowow テレビで見た映画 洋画

line
line

line
星が見える名言集100
line
エコライフ

powered by ブログパーツファクトリー
line
プロフィール

nanatakasou

Author:nanatakasou
kiriyです。
映画はジャンル問わずで大好きです♪
だけど、ブログはゆっくりマイペースで更新中。

line
最近の記事
line
最近のコメント
line
最近のトラックバック
line
月別アーカイブ
line
カテゴリー
line
ブログ内検索
line
RSSフィード
line
リンク
line
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

line
QRコード
QRコード
line
FC2カウンター
line
sub_line