L change the WorLd
2月10日映画館にて鑑賞。

Lが走る。
Lが戦う。
Lの最後の事件は、頭脳戦ではなかった。
映画館の中は小学生でいっぱいだった。そう言えば「デスノート」はR 指定がかかっていたような気がする。アニメの「デスノート」も深夜にやっていた。でも、それでも子供達に人気の高かった「デスノート」だった。キラに理解を示すのは危険な香りがしても、Lになら思いっきり感情移入も出来るだろう。彼は子供達のヒーローだったらしい。
一緒に観に行ったつれあいは、少しうんざりしたような顔をした。
「仕方がないよ。子供が出る映画って言うのは、子供に感情移入しやすく作っているわけだから、この映画のメインターゲットは子供かもしれないよ。」・・・もしくは若者。私たちは静かに見ていよう、片隅で。
だけど既に子供心が死に絶えた目で見てみると、冒頭の消滅した村の人々が苦しみもがいているシーンを見た時に、私はこの映画が「デスノート」と同じレベルだと思うことを諦めた。いかにそこには人件費がかかっていないからと言っても、爆発させたらそれなりに予算を取るわけだから、もっと丁寧に撮ればいいのにと珍しく批判モード。飛行機を見上げるシーンに至っては、血まみれの人がスタスタ歩いていたのにはガッカリしてしまった。もう、隣に座っている中学生か小学生の気持ちになってみようと心に決めた。
そう思って見ると、なんとLの魅力がいっぱいだ。
ワタリ亡き後、彼が残した依頼ファイルの仕事を片っ端から片付けるL。携帯の持ち方もくせがあるが、キィを叩くLもおかしい。やってみたが難しい。(やってみたのか~!と、言われそう。)

<以下ネタバレ感想>
この映画は、Lを好きだった人たちのためのものなんだと思う。何しろ、見ていると、彼が育っただろう組織や環境などが想像できたりして楽しい。
私はLから松山ケンイチを好きになったのではないが、やはり彼はなかなかの演技上手な人だと思う。ワタリの死の報告を仲間に送るとき、kのところで一瞬手が止まり、映画では描かれていなかったKとの確執を匂わせる。
予告編で早くこの映画に行きたいと言う気持ちを引っ張っているのは、工藤夕貴の
「ここで解決できないのは、とっても苦手。」と言うセリフのように思うのだが、その彼女もなかなか良かった。
ただ、最後のストーリーがイマイチ。
松山ケンイチ、工藤夕貴に加えてもう一人重いキャラと演技達者な人が欲しかった所だ。
電車に乗ったり、自転車を走らせたり、アキバで買い物をしたり・・・
また、飛行機に飛び乗ったりなんてアクションもしちゃうし、果てはその飛行機まで止めてしまうし・・・そんな事、必要? とか、思いながら、なかなかかっこいいからいいかなんて、ミーハーティストな私。
最後にBoyにニアと名付けて去っていく、Lの姿にちょっとしんみりしてしまった。子供達に言われたとおり、背筋を伸ばしてみたりして、可愛い。
L=Lawliet、25歳らしい。ローライト、いかにも少年漫画の名前の付け方らしいところがあるが、月とLは出会うべきして出会ったのだなぁと、作者の罠にはまってしみじみ思ったてみたりもする。
その彼の最後の日々は、経験のなかったことの連続だったかも知れない。新しい太陽が昇れば新しい一日が始まる。そこには新しい自分が待っているのかもしれない、最後の日まで。