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魍魎の匣

3fb05bdc.jpg魍魎の匣(もうりょうのはこ) - goo 映画




1月7日映画館にて

 この映画を観に行くんだと言いましたら、姪が
「原作を読んでいないのに平気かナァ。」と言いました。原作を読んでいないと難解だと言うのです。
「平気ですよ。」と、私は即答。
なぜなら、映画というものは原作を知らないからといって観る事が出来ない、理解が出来ないと言うものではないからです。
もし、映画を観て、その映画を理解できなければ、原作云々の問題ではなく、単に自分の理解能力が足りないか、趣味に合わずに「拒絶の壁」が出来てしまったのか、または駄作なだけなのです。

 だけど、だからと言って、原作を読んで映画館に行くということを否定しているわけではありません。先に原作などを知っていると、その世界観にほれ込んで、踏み込んで見ることが出来たり、自分の作り上げた世界観を映画が埋める事が出来なくて、その比較に興じる楽しみと言うものがあったりするのではないかと思うからです。


 この映画を観て、一番強く感じたのはそれぞれのキャラの魅力です。
古本屋の店主で神主で陰陽師の京極堂(中尊寺)、過去の記憶が見える探偵榎木津、作家の関口を、堤真一、阿部寛、椎名桔平がそれぞれ魅力的に演じています。
ストーリー的には、おおもとのSF部分は好き好きが分かれるところだと思うのですが、つぼに嵌った人にはたまらない魅力だと思います。

 また、堤真一は戦後の昭和のレトロな雰囲気付いているなと思いましたが、「三丁目の夕日」のようには話題になっていないナとも思いました。その街並みをどうやって撮ったのだろうと思っていましたら、映画のロケ地と言う事で、最後のエンドロールの時にその仕組みが分かって感心しました。上海ロケで撮ったのですね。ちょっと中国らしい雰囲気も漂っていました。

HPの撮影日誌などが参考になるかと思います。



<以下はネタバレしています>

 三つの事件が最後には結びついていく面白さはもちろんですが、その独特な世界観がたまりません。その大元のストーリー、美馬坂研究所の話はストレートな目で見たら荒唐無稽です。でも、そこがこの映画のまさにツボのような気がします。

 例えば古本屋の最下段の片隅に埃をかぶって、しかも傷んだ紙に染みだらけ、そんな本に美馬坂研究所物語は書いてあるような気がするのです。(そんな事言ってはいても、ブックオフなどとは趣が違う、古本屋体験なんかは、あまり経験がないのが残念です。今でも神田などに行くと、そういう本屋さんは健在なのでしょうか。)

かなり大昔ですがSFマガジンで、昭和初期の冒険活劇譚を面白おかしく解説する読み物を読みましたが、全てが荒唐無稽、あまりの面白さに打ち震えました。そんな面白さに共通するものを感じたのですね。

丘の上の巨大な箱型建物。迷路のような螺旋の階段を上っていくと、義父を愛してしまった絶世の美女がいて、そして、最後には頭だけになってしまった男の建物自体が体だったと言うからくりを知ることが出来るのです。その男の死は建物の崩壊にも繋がって、主人公達は命からがらそこから脱出を・・・
・・・そんなシーンはなかったですね。箱屋敷での主人公達の最後はコメディ調でしたね。

 私がこの映画で特に印象深かったのは、京極堂の陰陽師としての足捌きです。私は、宗教としての陰陽師に傾倒するものではありませんが、漫画の「陰陽師」または映画の「陰陽師」には(これもまた小説の方がパスなのは情けないですが)恋するものであります。深秘御バコ教の玄関先で床を叩くところから、足裁きで魍魎払いをしながら話、説得して行ってしまう所から、全ての所作が美しかったです。

 京極堂の虜です。絶対に次回作を作って欲しいと思いますが、どうなんでしょうね。

 キャラの魅力では久保竣公役の宮藤官九郎が、意外な気持ち悪さを出していて、良かったように思いました。少年期のトラウマが彼をあのようなものに変えてしまったのだと思います。だから彼も、美馬坂の被害者だったと言えるかも知れません。
 
「死なない人間」を作るという研究に取り付かれた男と、それに振り回された人間達の悲劇の物語だったのでしょうか。気持ちの悪いシーンは仕方がないと思いましたが、頼子の最後の時、榎木津がその髪を撫ぜていて上げていたのが、印象的でした。

そしてラストシーン、小さな箱に入ってしまった加菜子に優しく話しかける雨宮。
そして、綺麗に描かれた加菜子。
そこはゾクッとするところなのかもしれませんが、なぜだか私はホッとしてしまいました。

描かれていなかったけれど、たぶん全ての悪の根源であっただろう陽子の母のエピソードにも心惹かれるものがありました。でも、それを知りたかったら、原作を読むしかありませんね。または、読んだ人にお話してもらって手間を省くと言う手もあり・・・(′∀`)










 
 


 

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genre : 映画

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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い4
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い - goo 映画

2月18日、映画館にて鑑賞。

良作の小説を一ページずつめくって読み進めていく様な、そんな作品でした。

9.11で大好きだった父親を失ってしまった少年。
その死を受け入れる事が出来ぬまま時は過ぎて、ある日父のクローゼットから鍵を見つけた彼はその鍵の鍵穴探しをすることに。
その鍵を使って開けたその場所には、果たして彼の父からの何らかの生きていく為のメッセージは残されているのだろうか―


と言っても本編の流れの中に、謎解きのようなくだりはありません。

人との出会い・出会い&出会いで物語は作られているように感じます。
思わず、これは子供の特権の物語だなと思ってしまいました。人々は優しく同情的で少年を受け入れるのです。こんな風に人々の懐に入り込めるのは子供ならではかもと感じたのです。でも、実はそんなさりげないところに・・・・・。


だけど少年は必要以上に自分を慰めようとしまた自分の話をしようとする人々に困惑したりします。少年は知的でありながら、繊細すぎる魂の持ち主で人と交わる事に不器用なのでした。

パニック防止の為のタンバリンの音がずっと鳴り響いていました。

この映画、見たとおりタイトルが長いです。原題の直訳的なものだと思うのですが、凄くセンスが良くて好きです。へんな風に邦題付けられなくて良かったと思います。ただ、シネコンなどでは案内し辛いと見えて「『ありえないくらい近い』のチケットをお持ちのお客様は・・」と省略されていて、思わずニヤリと笑ってしまいました。
省略する時に『ものすごくうるさくて』にしなかったところもツボですよね。
「『ものすごくうるさくて』のお客様は××シアターの・・」って言ったら、何か煩いお客の案内みたいですものね。

例の如く、エンドロールで席を立つ人多し。
だけど私、黒い画面に名前だけ流れていく工夫のないエンドロールを見ていて、急に溢れるような感情がこみ上げてきました。本編では必要のなかったハンカチを取り出さなければなりませんでした。

何も見るべきものもないエンドロールで音楽を聞きながら、ふと脳内で少年の愛するものの喪失と再生の物語が繰り返されました。
いつか3.11でも何年も経ったら、このように心の内側から描くような再生の物語が描かれる日が来るのでしょうか。

やっぱり映画館に行ったらならば、やむにやまれぬ事情がない限りは、天井に電気がパッと付き現実の世界に戻されるまで楽しんだら良いのになと思います。

以下ネタバレ感想です。
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い3

上記で謎ときはない、また子供の特権の映画と書きましたが、ちょっと感じた違和感、そこに秘密があったのでした。鍵が自分の思っていたものと違って失望し荒れる少年オスカーに、母が明かした秘密。
先回りしていてオスカーの事を頼んでいたのでした。
これは残された者たちの再生の物語だと思いますが、それを導いていたのはやはり父であったように思うのです。

鍵の秘密にたどり着いたオスカーは、精一杯我慢して普通に振舞いますが、耐え切れなくなって泣きながら走り去って行きます。その時思わず心の中で、そうじゃないよ。これがそのメッセージなんだよと叫んでしまいました。
鍵を渡すべき人に渡す、その過程のすべてがメッセージだったと思います。

出会った人たちに顛末の手紙を書いたオスカー。その手紙を書くという発想も、鍵の持ち主だったブラックの父のエピソードから得たものだったのではないかと思います。少年も人々と出会って多くを得たかも知れませんが、彼と出会った人たちにも得たものは多かったと思います。

9.11、最悪の日の留守番電話のエピソード。最後の電話は出ることができたのに彼は動く事が出来ないで、その電話には出ませんでした。その秘密にずっと彼は苦しんできました。
だけど、もし彼が電話に出たとしたら、その直後の崩壊に少年の心が耐え切れたのか、それはわからない事だと思いました。
そしてここでも心の中で「良いんだよ、出なくて良かったんだ。パパは分かっていてたよ。」と言ってしまっていたように思います。主人公の少年との心の対話が多かった映画だったと思います。意味もなく・・・・。

トム・ハンクスの父親役も良かったのですが、サンドラ・ブロックの母親役も素敵でした。
少年は時には残酷。
9.11の時、ビルにいたのがママだったら良かったんだなどと言います。もちろん本心ではありません。
「そうね、ごめんね。」と自分だったら言うだろうなと思ったら、彼女も「本当にそうね。」と答えていて、このシーン泣けました。

なんとなく自分が映画の中にかなり入り込んでしまった映画だったかもしれません。

間借り人、おじいちゃんの存在も良かったですね。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い


ものすごくうるさくて、ありえないほど近い2



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kiriyです。
映画はジャンル問わずで大好きです♪
だけど、ブログはゆっくりマイペースで更新中。

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